2017年4月25日火曜日

3/12申琪榮講演会報告



  戸籍が廃止され個人籍の制度へ 
2005年韓国の家族法改正を振り返る
    ― 保守の反対論をどう乗り越えたのか?―」
                      
            (事務局 F)

 去る312日、富山県民共生センター「サンフォルテ」にて、第一回選択的夫婦別姓を実現する会・富山の総会記念講演として、お茶の水女子大学大学院准教授申琪榮(しん・きよん)さんに「2005年韓国の家族法改正を振り返る―保守の反対論をどう乗り越えたのか―」と題して講演を戴きました。重い演題にも関わらず、実際の経験を通じた解り易いお話と、柔らかな口調・親しみを込めての語りかけで、多くを学ぶことが出来ました。
講演は韓国の民法改正運動を私たちが理解しやすいように、韓国家族制度から話して頂きました。
講演を私なりにまとめさせて頂きます。「旧来の韓国家族制度は、父系血統主義。また姓不変の原則があり、血縁が変わらないので姓も一生不変です。韓国民法では、特に結婚による夫婦の姓について法的規定はありません。しかし、姓不変原則によって、その意味で夫婦別姓です。同姓は認められていませんでした。
旧来の家族制度は多くの不正義を含んでいました。徹底的父系主義そして「戸主」と家族の序列化、男児選好で女児堕胎など人口バランスの乱れ、子ども連れで再婚の場合親子三人とも姓が異なる(父の連れ子は同じ)などです。
90年代後半ごろから“平等で民主的な家族関係を実現する家族法”を求める市民団体が、個人単位の社会に向け、戸主制度廃止・一人一籍・個人単位の身分制度を目指して家族法改正運動を開始。運動の推進は、女性団体をはじめ各種市民団体との連携、対政府向け圧力、対国民向けキャンペーン、憲法裁判所への訴え等々多角的に取り組まれました。塚本協子さんも記憶されておられる272運動と言われる、272人の国会議員全員に担当を決めマンツーマンでロビーングを展開致しました。また一人デモと言いまして、冬ソナの俳優さんも参加して国会前で何百日も語り継ぐリレートークもやりました。
これに対し保守派は、“戸籍制度が無くなると家族が崩壊”、“韓国の誇るべき伝統・親孝行の心が弱まる”、“戸主制度廃止は一部離婚女性を救う制度”などと反論してきました。
2002年末の大統領選挙候補者たちの公約に、“戸主制度廃止”を連ねさせることに成功し、一番好意的だった盧武鉉(のむひょん)氏が当選。2004年の総選挙で大統領率いるウリ党が圧勝し、20052月憲法裁判所が国会に先立って、“憲法不合致”判決を下し、国会も後追いで民法改正を通過成立させました。結果、7年に及ぶ活動を経て、“戸主を中心とする戸籍制度が廃止され、国民一人ひとりが個人籍を持つ民法に改正されました。
国民の意識も“私が中心”というようにガラッと変わり、憲法が定める“個人の尊厳”を享受しています。日本でも必ず民法改正ができる。」とのエールで締めくくられました。(「北京JAC 213号 2017年4月1日発行」より、転載)

2017年4月20日木曜日

全体ミーティング(4月)のお知らせ

次回の全体ミーティングは次のとおりです。

日時:2017年4月23日(日)14:00〜
場所:サンフォルテ2階・団体交流室
   https://www.sunforte.or.jp

全体ミーティングは、会を応援してくださる気持ちのある方は
どなたでも参加していただけます。
ご興味ある方はお気軽にいらしてください。